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新時代を拓く信州ブランド 信州ブランドアワード2021受賞商品のご紹介

記事投稿日:2022.06.23

長野県で誕生し育まれた優れたブランドを表彰する「信州ブランドアワード」。「ゼロカーボンを意識した製品・サービス」をテーマとした「しあわせ信州」部門、長野県のデザインレベルアップを牽引するデザインを実現している製品・サービスを選定する「NAGANO GOOD DESIGN」 部門の受賞者が決定しました。今回は各部門の受賞者および受賞商品についてご紹介します。

「信州ブランドアワード」とは

~信州発の優れたブランドを選定・表彰しています~

「信州ブランドアワード」は、長野県から発する優れたブランドを選考して表彰するものです。

選考されたブランドは、何れも当地固有の地域資源を基に生み出された他にはない魅力のある商品やサービスであり、またそれらを提供する事業や事業者であり、更にそれらの拠り所である地域そのものです。一つ一つが今の長野県産業を輝かせる要因であり、後に続くブランドの目標でもあります。

信州ブランドアワードHP https://sba.ndpa.jp/

しあわせ信州部門 部門賞「信濃錦『超玄』」~合資会社宮島酒店(伊那市)~

合資会社宮島酒店 4代目社長 宮島 敏さん

南アルプス、中央アルプスという 2つの大山脈に囲まれる伊那市で、「信州の大自然を表現すること」をテーマに酒造りを行うのが、1911年創業の宮島酒店。先代社長は、全国に先駆けて防腐剤(サリチル酸)を使わない日本酒造りに取り組むなど、地域に根差し、安心安全な酒づくりを続けてきた酒蔵です。

現社長で4代目の宮島敏さんは、原料となる酒米へのこだわりを更に追求し、約30年前から地元の契約農家による酒米栽培を開始。農薬や化学肥料を極力使わない米づくりを行なってきました。

そんな宮島酒店が近年力を入れているのが低精白による酒造り。中でも、国内でも珍しい「契約無農薬栽培米を用いた91%という超低精白の純米酒」のブランドラインが「超玄(ちょうげん)」です。

「超玄」の2022年春の商品ラインナップは、「S91」(山恵錦)、「H91」(ひとごこち)、「M91」(美山錦)の3種類。長野県が開発し2020年に品種登録された新酒米の「山恵錦」は、吟醸酒に使われることが多く、柔らかい膨らみが出るそう。「超玄」では山恵錦ならではの柔らかみがより一層感じられ、宮島さんは「超玄」シリーズの中心に据えています。

大切な資源をできる限り活かすという「超玄」の理念は、ラベルにも具現化。瓶の回収や洗浄時の負担を減らすことを意識し最小限の面積にした中で、最大現の表現とするデザインに。

契約農家さんの一言が、地元の農家と寄り添いながらこの土地ならではの酒を醸すことがこれから自分の成すべきことだと気づく転機になったそう。

1978年に品種登録されて以来、長野の酒のメイン品種である「美山錦」は、宮島酒店では元々辛口の酒用として使っていました。「超玄」では美山錦のすっきりとした酒質がさらに研ぎ澄まされており、山恵錦と比べると少し線が細くは感じるものの、夏向きですっきりと飲むのに向いているとのこと。「ひとごこち」は、91%精白だと輪郭のはっきりとした、少し武骨さも感じる酒に仕上がり、チーズとの相性もぴったり。

循環型農業を早くから取り入れるとともに、食品ロスの削減や環境保全など、さまざまな面からゼロカーボンを実施し、商品を通して表現していることが評価され、信州ブランドアワード2021のしあわせ信州部門(テーマ:ゼロカーボン)の受賞につながりました。

今後はさらに超越した“精白しない”玄米での酒造りをしてみたいとのこと。食糧危機が叫ばれる中、100年後の子供たちに明るい未来を届けるためには、より米を大切にした酒造りという視点が必要ではないかと考えています。「これからの時代、すべてがサスティナブルであることが必須条件になってきます。超玄が、お酒を飲む人の価値観やライフスタイルを変えていくきっかけになっていってほしい」と宮島社長。超玄を作り出した思いは、100年先の未来へとつながっているのです。

○低精白純米酒「超玄」と「和三本」に込めた思いに込めた思いはこちらから

https://www.miyajima.net/j?Lpj

合資会社宮島酒店のページをチェック!

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しあわせ信州部門 部門賞「co:do」~フレックスジャパン株式会社(千曲市)~

フレックスジャパン株式会社 「co:do」プロジェクトの中心メンバー 櫻井 太河さん

縫製工場を有するアパレルメーカーとして、大量生産・大量廃棄からの脱却が求められる今、取り組むべきモノづくりとは。そんな問いから産声をあげた「co:do」。1940年に創業し、国内のドレスシャツマーケットで20%以上のシェアを誇るフレックスジャパン株式会社の新しいファクトリーブランドです。

温故知新、この有名な故事成語を基にした「故きをたずねて新しきをまとう」というブランドスローガンを掲げ、完成した第一号が半纏はんてん(Japanese short coat)です。この半纏には、愛知県一宮周辺の繊維産地である尾州で、50年以上も前から取り組まれている毛七けしちという再生ウールが使用され、デザインには、日本人になじみやすい伝統的な半纏を現代的に解釈し、流行りすたりにとらわれない新たな価値観が付加されています。

「co:do」に共通する特徴が、アパレルメーカーの矜持きょうじともいえる丁寧な縫製と、存在感を放つワンポイントのアクセント。半纏のボタンには松代焼(長野市松代町)の陶器ボタン、袈裟をモチーフにしたモンクバッグ(Monk bag)には黒姫高原アファンの森の間伐材を原料に南木曽町の組子細工の工房で作られた木の輪、そしてブランドタグや包装用紙などには飯山市の内山紙と、長野県の伝統工芸品が随所に使われています。

「伝統工芸品は、いろいろな面で「co:do」のコンセプトを体現した存在。だからこそ、ファッションというフィルターで見てもらいたいと思っています。」と話すのはプロジェクトの中心メンバー、櫻井さんです。

半纏(Japanese short coat)。素材や原料がエシカルであることが「co:do」の約束のひとつなのだとか。

「co:do」の名前の由来は3つ。心臓の「鼓動」、古い道の「古道」、そして「作り手と使い手が共に、より良い未来を形作るというco(ともに)do(行う)という思いが込められています。

今回の信州ブランドアワードでは、培った縫製技術を活かして廃棄されていた衣服を新たな視点で再生し、再利用するという点でゼロカーボンを推進しているだけでなく、ファッション性やデザイン性からも、限りある資源を大切にするというメッセージ性を感じられるということが評価され、しあわせ信州部門の部門賞受賞となりました。

ストーリー性のある素材を用い、伝統を守りながらも新しいものとして世に送り出すことが「co:do」のコンセプト。素材選びにあたっては、実際に産地に出向き生産者と対話し『co:do』の理念に共感してもらった上で、一緒に作り上げていくそうです。

「ビジネスである以上、お互いに有益になることが絶対条件ではあるのですが、それだけではなくて、全国各地の繊維素材で、互いにワクワクするような、未来に残すべきもの繋ぐべきものをつくって、「co:do」というブランドを育てていきたいです」と櫻井さんは展望を語ります。

フレックスジャパン株式会社のページをチェック!

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NAGANO GOOD DESIGN 部門 部門賞「VAIO®️SX14 VJS142シリーズ」~VAIO株式会社(安曇野市)~

VAIO株式会社 取締役 林 薫さん

北アルプスの山々の麓に田園が広がる安曇野市。この田園風景の中に「VAIO」の生産拠点があります。2014年にソニーのPCブランドであった「VAIO」の生産を行う事業部が独立。ソニーの「エンドユーザーに対するこだわり」の信念を受け継ぎつつ、「ビジネスにおける生産性の向上」に舵を切り、VAIOの基幹工場のあった安曇野に本社を構え、VAIO株式会社として歩み始めました。

「VAIO株式会社となった時、改めてものづくりにこだわり直すという意味で、製品の品質に自分たちで責任を持つことを徹底的に追求しました。その結果、現在VAIOの製品は全てこの工場で、約50項目にもおよぶ最終的な点検やコンフィギュレーション(設定)を行ってから出荷しています。私たちはこれを『安曇野FINISH』と呼び、大事なコアバリューのひとつだと考えています」と話すのはVAIO株式会社取締役の林薫さん。1997年にVAIOが誕生してからずっと、設計・生産に携わってきたエンジニアのひとりです。

そして、VAIOとして独立したとき、目指したのが地域の人々の誇りとなるブランドになること。本社には安曇野が好きだから、VAIOで働きたいとI・Uターンしてきた人も多いそう。このことが、地域と共生した企業になっていきたいとの思いをさらに強めたと言います。

VAIO SX14は14.0型のワイドディスプレーを採用するにあたり、額縁部分を非常に細く作っていることもあって、13.3型インチのモバイルPCとほぼ同じサイズの筐体の中に液晶を収めています。

「安曇野FINISH」(最終チェック)ではAIや機器によるものに加え、87つのキー全てを実際に自分の指で叩くなど、自分たちの五感を使った、ユーザー目線でのチェックが行われています。

使い心地の良さも、PCのパフォーマンスの要素であるとの信念を持ち、製品開発を行うVAIO株式会社。そのこだわりは、キータッチにとことんこだわったキーボード、机との段差とを感じさせない絶妙な角度のパームレスト、額縁を極限までそぎ落した液晶画面、片手で持ち運びやすいフォルムなど、VAIOのPCの随所に表現されています。

「使い勝手や機能にこだわった結果がかっこよさ、いわゆる『機能美』になっていくことを目指しています。例えばVAIOのデザインの特徴の金属のオーナメントも液晶基板の保護の役割を担っているんですよ」と林取締役が言うように、性能、使い心地、生活スタイルへのマッチ、すべての機能を突き詰める中で生まれた機能美はまさに、四半世紀のVAIOの歴史の中で培ってきたものと言えます。

今回、信州ブランドアワード、グッドデザイン部門の部門賞を受賞したVAIO SX14はVAIOシリーズの定型であった13.3型よりひと回り大きな14.0型のワイドディスプレーを採用。さらに、東レ株式会社との共同開発で生まれた高弾性UDカーボンを用いた天板で、剛性を確保するとともに、モバイルノートPCトップクラスとなる999gという軽量化も実現。シンプルでありながら、ハイパフォーマンス、心地よい操作性、そして、日本らしい美意識を活かしたデザイン、品質への徹底したこだわりが、ブランドアワードにおいても高い評価を得ました。

「独立後は、国内法人向けに注力してきましたが、その下地が整ってきたので、もう一度グローバルに目を向け、VAIOというブランドで世界を舞台に勝負したいなと思っています」と言葉に力を込める林さん。安曇野の地から、世界へ向け、VAIOが羽ばたこうとしています。

VAIO株式会社のページをチェック!

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NAGANO GOOD DESIGN 部門 部門賞「筒けん」~株式会社筒けん(上田市)~

株式会社筒けん 代表 清水 悟さん

子どもから大人までが楽しめる、信州発の新しいスポーツ・トイが生まれました。その名も「筒けん」。コンコンコンコンとリズミカルな音とともに、「筒けん」を操って見せてくれるのは株式会社筒けんの代表で、日本けん玉協会公認指導員でもある清水悟さんです。

「筒けん」は、丸い筒と砂の入った玉がセットになったシンプルなおもちゃ。糸の無いけん玉ともいえますが、遊んだ感覚はまるで別物です。「筒けん」は筒状のポテトチップスの容器から発想を得て誕生。ジャグリング用の玉を使ってけん玉の動作を試してみたところ、非常にキャッチがしやすく、これならけん玉に苦手意識を持つ人でも楽しめるのではと閃いたそう。

本体と玉をつなぐ糸がないので動きに制限がなく、砂の入った球と筒のおかげで簡単にキャッチでき、1人でも複数人でも手軽に楽しめることから、さまざまな方面で注目を集めています。

ポテトチップスの筒で手作りした元祖筒けん。形こそ決まっていたものの、筒の材質や玉の重さなど、試行錯誤が続き、試作品の数は200以上に上ったそう。

作業療法士の人にもアドバイスをもらって、高齢者のリハビリ用途や運動機能向上といったところでも使えるよう準備を進めているのだとか。

筒けんで遊ぶことは、「スクワット運動による足腰の強化」「バランス感覚向上」「集中力アップ」、さらに「脳の活性化」にもつながることがわかり、今では、その手軽さから小学校や高齢者の施設でも採用されるまでに広がりを見せるように。「キャッチしようとするとき、無意識に膝を上下に動かしてスクワット運動しているからなんです。けん玉も同じように膝が大事なんですが、意識しないとなかなかできない。でも筒けんだと自然と膝が動くんですよ」と清水さん。

子どもからお年寄りまで、簡単に楽しめ誰もが「できた!」を実感できるハードルの低さ、さまざまな遊び方がある奥行、一人でも大人数でも楽しめるという広がりが評価され、信州ブランドアワード2021のNAGANO GOOD DESIGN部門のほか、昨年11月には遊びのスペシャリスト(おもちゃコンサルタント)の投票で決まるおもちゃの賞制度「Good Toy Award 2021」で多世代交流賞を受賞しました。

「きっかけは、けん玉を上達させるための道具でしたが、筒けんは、たくさんの人に『できた』を感じてもらうことができる。いろんな技ができるようになって嬉しいとか、自己肯定感をアップすることもできるんじゃないかと思っています」と語る清水さん。

ふと手にしたポテトチップスの筒という身近にあるものから発想を得た筒けん。その可能性は無限大です。

株式会社筒けんのページをチェック!

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いかがでしたか?2004年「信州ブランドフォーラム」の開催を機にスタートした「信州ブランドアワード」。受賞した商品はこれからも長野県のブランド向上を牽引する存在であり続けるでしょう。今後もぜひ注目してください。

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