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自然の力を生かし、おいしく育まれる、信州の環境にやさしい農産物のご紹介

日本有数の山々に囲まれた長野県。県全体の平均標高は1,000mを超え、昼夜の寒暖差など恵まれた気候や風土の中で多くの農作物が作られています。そんな中、人や環境にやさしい野菜や果物を消費者に届けたいという思いで農業に取り組む人々が増えてきました。

手間暇をかけ、土づくりにこだわり、分析をしてさらに高みを目指す。移住してきた人も、その地で生まれ育った人も、共通しているのは「おいしい野菜、果物を食べてほしい」という思いです。今回はそんなこだわりの生産者たちを訪ねました。

長野県が進める「環境にやさしい農業」について

長野県では、信州の美しい自然環境を守り、環境と調和した環境農業を進めるため、環境への負荷を低減する手段として「環境にやさしい農業」を推進しています。推進に当たっては、実践者の農業に対する理念や生産方法、販売方法等が多様であることから、農業者の自主性を尊重し支援しています。

出典:第3期長野県有機農業推進計画

長野県における有機農業の推進について

有機農業は、農業の自然循環機能を大きく増進し、農業生産に由来する環境への負荷を低減する栽培法であることから、長野県では環境にやさしい農業の一つの形態として位置付け、平成 21 年 12 月に有機農業の推進に関する法律(平成18 年法律第 112 号に基づき「長野県有機農業推進計画」を策定し、有機農業の推進に取組んでいます。

「有機JAS」認証について

~太陽と雲と植物をイメージしたマークが目印です~

農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品で、第三者機関の認証を受けたものを表しています。

有機JAS認定農家数及びほ場面積(長野県)について

長野県における「有機JAS認証」を受けた県内の農家戸数は直近で 89 戸(H28)、面積が122ha(H27)となっており、平成 21 年度に比べ面積は 60ha 増加し、年々増加傾向にあります。

出典:第3期長野県有機農業推進計画

有機農産物等の購入の意向等について

農林水産省の農林水産情報交流ネットワーク事業のアンケート結果では、有機農産物の購入について、82.6%の消費者が購入を希望しています。また、大手販売店などにおいても有機農産物の取扱いに関心を示しています。

出典:第3期長野県有機農業推進計画

さらに、近年では、環境への負荷ができるだけ少ないものや環境負荷の軽減に努める企業の商品を選ぶことが「エシカル消費」とされ、推進されています。

「有機JAS認証」取得商品をチェック!

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「長野県の環境にやさしい農産物認証」について

長野県では、環境と調和し自然と共生する持続性の高い農業を一層推進するため、平成21年産農産物から知事認証の「信州の環境にやさしい農産物認証制度」に取り組んでいます。

長野県の環境にやさしい農産物認証 シンボルマーク

~このマーク、ぜひ覚えてください~

信州の頭文字、ひらがなの「し」をモチーフに化学肥料や農薬の使用量を減らして生産された農産物ということで安心して食している消費者の笑顔を表現しました。また、環境にやさしいと云うことを新芽で表しています。

地域の一般的な栽培方法と比較して、化学肥料及び化学合成農薬を50%以上(一部30%以上)削減した方法で生産された農産物を認証する制度です。認証された農産物には、県の認証番号が入った認証票(シンボルマーク)を付けることができます。

「信州の環境にやさしい農産物認証」取得商品をチェック!

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自然を生かし、100年続くりんご作りを~アップルファームさみず(飯綱町)~

代表・山下一樹さん

信州を代表する果物のひとつ、りんご。中でも北信五岳に囲まれた標高約500〜600mに位置する丘陵地で、昼夜の寒暖差が大きく年間の降水量も少ない飯綱町三水地域(旧三水村)は県内有数のりんごの産地です。
「この恵まれた自然条件を最大限に生かした、可能な限り自然に近い状態を保つような栽培方法を心がけています」と語るのは「農業生産法人有限会社アップルファームさみず」の代表・山下一樹さん。

今から47年前、「作る人と食べる人、お互いの顔が見える関係を築きたい」と思いをひとつにした5人の農家が集い、「アップルファームさみず」の前身である出荷組合「アップルさみず新流会」を発足。山下さんの父親も立ち上げメンバーのひとりで、「農薬や化学肥料をできる限り減らしたりんごを作ってほしい」という消費者のニーズに応えるべく、環境に負荷をかけない栽培方法を追及し始めました。

「アップルファームさみず」では、約15種類のりんごを出荷しています。当初は5名でスタートしましたが、いまでは総勢20名以上となりました。

「りんご畑は仕事場であると同時に生活の場でもあるんです。なので、除草剤は一切使わないし、安心・安全な畑づくりを意識しています」と山下さん。

「アップルファームさみず」では、除草剤や化学肥料は使用しないなど統一のルールがある一方、特別栽培(※)の基準の中でリストアップした農薬の中からどれをいつ使うかなど、基本的な栽培方法はそれぞれの農家の判断に委ねられており、人の数だけ栽培方法も異なります。

花が咲いてから収穫までの期間が長いりんごの特別栽培は難しいとされる中、毎年試行錯誤を繰り返し、それぞれの結果を共有しながらノウハウを積み上げていき、「アップルファームさみず」のりんごの質を磨いてきました。当初は5名でスタートした同社も今では総勢25名となり、31歳の若者から90歳のベテランまで、よりよいりんご作りのため、お互いに協力し合っています。

「特別栽培のりんごは使える農薬も限られており、どうしても見た目は劣ってしまいますが、その分、土づくりや、りんご本来の味がのった完熟品を見極めて収穫することにこだわっているので、“味”には自信をもっています」と山下さん。「アップルファームさみず」では、反射シートなどによる着色の促進は行わず、全て無袋で栽培するなど、果樹の生理をふまえたおいしいりんご作りを追求しています。

「親世代が頑張って作り上げてきたこの『アップルファームさみず』。りんごの産地として、100年後も、三水の景観の中で人々が暮らし、りんごも子どもたちも育つ畑を残したい。そして、個人的にはいつか新しい品種を作って、自分の名前のついたりんごを世に送り出したい」
山下さんの、そして三水の人たちの夢はこれからも続きます。

※特別栽培とは:その農産物が生産される地域の一般的な栽培方法と比較して、対象農薬の使用回数と化学肥料の窒素成分量を50%以下で栽培すること

家業「山下フルーツ農園」の生産担当でもある山下さん。3haの畑で50種類以上と、多種多様なりんごを栽培しています。写真は、お盆頃から出荷が始まる長野県生まれの夏リンゴ「シナノリップ」。

加工品も販売しており、いろいろな品種が楽しめる「しぼりっぱなしジュース」や、りんごを使って作った「appleソース」、フルーツジャムが人気です。

有限会社アップルファームさみずのページをチェック!

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オーガニック肥料で育むデータに裏付けられた“旨味野菜”~のらくら農場(佐久穂町)~

代表・萩原紀行さん

標高1,000m、八ヶ岳北麓に位置する「のらくら農場」。7haの畑では年間50〜60品目もの野菜が、独自の方法で栽培されています。
「土づくりを何より大事にしています。よい肥料を使うことが栄養価や味の向上につながり、その売上がまた、よりよいオーガニック肥料への投資につながります」
こう語るのは代表の萩原紀行さん。化学合成された肥料や農薬は一切使わず、堆肥のほか、牡蠣殻、鉱物由来のミネラル資材など20種類以上の肥料を使用しています。

萩原さんは23年前にこの地に移住。手探りでスタートした農場も今や最盛期には約20名のスタッフを抱えるほどに成長しました。

「のらくら農場」の作業場兼加工場。オーガニック資材の共同購入グループや「土壌分析の会」の立ち上げなど、同農場発地域ぐるみの取り組みがすすめられています。

「のらくら農場」のグリーンケールは「オーガニック・エコフェスタ2020」栄養価コンテストのケール部門で2年連続となる最優秀賞を受賞しています。

戦略をたて、データ分析と感覚を駆使することで“独りよがりにならない栽培”に努めているのが「のらくら農場」の大きな特徴。冬の農閑期に年間計画をたて、まず春の土壌分析から農作業がスタートします。70検体ほど分析し、土の状態を数値で把握。成長途中は葉の色やカール具合などからミネラルの過不足等、日々の作物の状態をチェックし、収穫後は栄養分析で栽培を振り返ります。

「多くの人に農業を経験してほしいし、感じたことを仕事や人生に生かしてもらえたらうれしい。それに、農業を通りすぎる人たちの存在って大切だと思うんです。例えば農場での暮らしの中で“移住したくても住む場所がない”という課題を見出し、空き家と移住希望者をつなぐ会社に就職する子もいます。ともに働く人たちからさまざまな刺激を受け高め合うことができています」と萩原さん。
八ヶ岳山麓の活気あふれる農場から全国へ、今日もこだわりの野菜が届けられます。

化学合成された肥料や農薬は一切使わず、堆肥のほか、牡蠣殻、鉱物由来のミネラル資材など20種類以上の肥料を使用しています。

2019年、共同出荷のグループを設立。「のらくら農場」は佐久穂町の集荷場にもなっています。

のらくら農場

D A T A

住  所:長野県南佐久郡佐久穂町畑5645-175

電話番号:0267-88-2952

H    P:http://norakuranoujyou.com/

軽井沢のシェフがほれこむ多種多様な野菜~軽井沢サラダふぁーむ(軽井沢町)~

代表・依田義雄さん

緑あふれる日本有数のリゾート地、軽井沢。そんな軽井沢で腕をふるう、名だたるシェフたちが次々と訪れる農園が「軽井沢サラダふぁーむ」です。
「シェフ自ら選んで収穫した野菜を調理して提供すれば、自ずと気持ちが入るし、それは食べる人にも伝わると思うんです。僕はそのためにも栽培に全力を注ぎます」
こう話すのは「軽井沢サラダふぁーむ」を営む依田義雄さん。会社員の頃、流通業、飲食業など、さまざまな経験をしてきた依田さんが農業を始めたのは約15年前。トマトやイチゴのハウス栽培を主としていましたが、6年前の記録的大雪によりハウスが全滅してしまい、少量多品種栽培を拡大。町内3カ所に計1haの畑を有し、約50品目・100種類以上もの作物を栽培しています。

レタスひとつとっても10種類以上栽培する「軽井沢サラダふぁーむ」。この生産スタイルは、軽井沢の名店「エルミタージュ・ドゥ・タムラ」元シェフの田村良雄氏から野菜づくりの細かい要望やアドバイスを受けたりする中で育まれた、ふたりの信頼関係から生まれました。口コミによって評判が広まった今では、町内約20のレストランのシェフが畑を訪れ、自ら収穫の時期を見定めて収穫していきます。

訪問した日も星野リゾート「ブレストンコートユカワタン」料理長の松本博史シェフが畑を訪れていました。

依田さんの畑から収穫した胡瓜、花胡瓜、バジルなどのハーブと花。吟味しながらカゴいっぱいの野菜を収穫していきます。

このように、シェフたちが絶大な信頼を置く依田さんの栽培の一番のこだわりは「土づくり」。「野菜は植えた時が勝負といっても過言ではなく、そのためにも野菜にあった土づくりが大切です。山などの自然に近い環境づくりのため、畑には米ぬか、お茶殻、大豆かすなど植物性の肥料を主体に施しています。土づくりがきちんとできていれば、野菜はちゃんと育つものです」と依田さんは語ります。

そんな野菜を一般の消費者にも直接届けたいと、2015年には軽井沢星野エリアの「ハルニレテラス」に「軽井沢サラダふぁーむ」直営の「Karuizawa Vegetable ココペリ」をオープンしました。
「お客様の声がダイレクトに届くので、作り手としても、もっといいものを作りたいと意識が高くなります」と依田さん。多くの人に野菜を食べてほしい、知ってほしい。依田さんのそんな思いが多くの食卓に届いています。

「軽井沢サラダふぁーむ」の野菜を使用した加工品や、依田さんセレクトのこだわりの品々がずらりと並ぶ食のセレクトショップ「Karuizawa Vegetable ココペリ」

店頭には、依田さん夫妻とご両親が収穫した野菜がその日のうちに並びます。軽井沢という土地柄、「食」に関する意識が高い人も多く、瞬く間に売れていくそう。

軽井沢サラダふぁーむのページをチェック!

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いかがでしたか?今回ご紹介した野菜、果物に限らず、長野県には、豊かな風土に育まれた、バラエティ豊かな農産物がございます。ぜひ、チェックしてみてください!

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