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伝統の滋味に出会う この夏食べたい信州の伝統野菜

なす、トマト、きゅうりなど、夏野菜のおいしい季節。さんさんと降り注ぐ太陽の光を浴び、色もひときわ鮮やかに育つこの時季の野菜。さまざまな地形や気候の中で育まれる信州の夏野菜にはその土地のみで受け継がれてきたものや、「こんなもの見たことがない!」という珍しい形を持つものも。今、旬を迎える信州のおいしい夏の伝統野菜をご紹介します。

信州伝統野菜認定制度について

長野県は、全国有数の伝統野菜の宝庫。各地域の気候風土に適応して特徴的な味や形、香りなどを持った多種多様な野菜が、信州の「食の文化財」として継承されてきました。長野県では、県内各地に残る貴重な伝統野菜を次代につないでいこうと、「信州伝統野菜認定制度」を平成18年に創設しました。

長野県では、県内で栽培されている野菜のうち、「来歴」「食文化」「品種特性」について、一定の基準を満たしたものを「信州の伝統野菜」として選定し、その選定された「信州の伝統野菜」のうち、伝承地で継続的に栽培されている伝統野菜および、一定の基準を満たした生産者グループ(生産者組織、農協、市町村等)に対し「伝承地栽培認定」を行っています。

現在、信州伝統野菜認定制度により、79種類の「信州の伝統野菜」が選定されており、そのうち51種類について、49の生産者グループが伝承地栽培認定を受けています。(令和3年3月31日現在)

長野県農政部園芸畜産課「信州の伝統野菜」リーフレットより

伝承地栽培認定を受けると、「伝承地栽培認定証票」を表示することができます。これは、「信州の伝統野菜」の継承を通じて、食文化の伝承や地域振興に真剣に取り組んでいることの証明です。

『信州の伝統野菜』伝承地栽培認定証票について

~このマークが信州の伝統野菜の目印です~

選定された「信州の伝統野菜」のうち、伝承地栽培認定を受けたものについて「信州の伝統野菜認定証票」(いわゆる認定マーク)を表示して出荷・販売をすることが可能です。このマークは、信州の伝統野菜を守り、食文化を次代に継承していこうという生産者の思いを示しています。

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天龍村の風土が育む幻の巨大なす~天龍村ていざなす生産者組合(天龍村)~

「天龍村ていざなす生産者組合」組合長の野竹正孝さん(左)と理事で種苗担当の板倉貴樹さん(右)

農業においても生産性や効率化が追求された結果、色・形のそろった同じような見た目の野菜が日本全国どこでも購入できるようになりました。一方で、特定の地域でしか栽培することのできない、味も姿も特徴のある野菜が地方には数多く残っています。その土地の気候風土に育まれ、地域の食文化を育んできた伝統野菜の価値を見なおし、後世につなぐ取り組みが今、広がり始めています。後継者や生産性の問題を抱える産地も多いのですが、「この味を絶やさず後世へつなげていきたい」との人々の思いがつながり、少しずつ、若い力が加わる動きもみられるようになってきました。

そんな伝統野菜のひとつで「幻の巨大なす」ともいわれるなすが、長野県最南端の村にあります。村の真ん中を南北に天竜川が流れ、四方を山に囲まれた谷間に位置し、かつては江戸幕府の“天領”として材木産地の役割を担うなど、森林資源が豊富な天龍村。信州では珍しく、柚子や茶葉の生産も行われるほど温暖な気候のこの地で育まれるのが、村が誇る伝統野菜「ていざなす」です。長さ約30cm、重さは600~700gもある類を見ない大きさが最大の特徴。収穫期は7~10月ですが、暑さの峠を越え、成熟し実に栄養が多く届くようになる、9月頃の味わいが格別なのだとか。

この「ていざなす」の名を広め、地域の特産にしようと、2007年に発足したのが「天龍村ていざなす生産者組合」です。現在、18人の組合員が安定した生産と栽培技術の確立を図るべく活動をしています。

村内でも知る人ぞ知る食材であった「ていざなす」も生産量約14トン、東京の豊洲市場をはじめ県外へ出荷されるまでに成長しました。写真は定植1カ月ほどの「ていざなす」。毎日1cmほどずつ成長していくとのこと。

板倉さんが管理する畑。1887年頃、神原村(現在の天龍村神原地区)の田井澤久吉さんが種を取り寄せたことが発祥。田井澤さんの名前にちなんで「たいざわなす」と命名され、それが次第に「ていざなす」と呼ばれるようになったのだとか。

「おいしくて見た目のインパクトもあるこのなすを飯田・下伊那地域全体に広めようという試みや、ほかの地域から『この苗をゆずってほしい』という話もあったけど、ほかの土地じゃどうもうまく育たなくてね。それならば天龍村ならではの名物になるよう、もっと頑張ろうと取り組んでいるんです」と話すのは組合長の野竹正孝さんです。専用ホースでの散水が一晩中必要になるほど大量の水を欲する「ていざなす」の栽培には水が不可欠。村では飲用もできる山からの湧き水を畑に引いているのだそう。

年々、高齢化が進む生産者のなかで、野竹さんが“若手のホープ”と期待を寄せるのが、組合の理事を務める板倉貴樹さんです。種苗担当も務め、村全体の「ていざなす」の種を管理しています。
板倉さんが栽培を始めたのは、愛知県から天龍村へとUターンした際、お世話になった人々が一所懸命に栽培に取り組んできた「ていざなす」の食文化や伝統を守っていきたいとの思いから。

「中山間地域で農地は狭いけど、きれいな水や、山の落ち葉を活用した堆肥など、恵まれた自然環境のなかで農作物を育てられるのは天龍村ならではの利点ですし、農業を通じてこの美しい景色を守っていきたい」と板倉さん。おいしい食べ方を尋ねたところ「ていざなすの揚げ出し」と教えてくれました。輪切りにし、片栗粉をまぶして揚げたなすに出汁をかけ、おろしショウガを添えて食べるそうで、以前ミシュラン星付きシェフが村を訪れた際には、あまりのおいしさに何度もおかわりをしたといいます。シンプルな「焼きなす」もおすすめで、通常のなすより豊富に水分を含んでいることから5分ほどで焼け、強火だとわずか2~3分で火が通り、おかかとしょうゆをかけて食べるのがおいしいとのこと。村の財産として130年以上もの間、守り続けてきた伝統の味をぜひ味わってみてください。

天龍川の支流の遠山川。「ていざなす」を育む農業用水はこの川と同じ水源から湧き出る水を利用。

焼きなすのほか、「ていざなす」の大きさを生かし、なすの皮を器にしたアレンジもおすすめ。

天龍村ていざなす生産者組合(事務局:有限会社天龍農林業公社)

DATA

住   所:長野県下伊那郡天龍村平岡944-2

T     E    L  :0260-32-1160

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今が旬! 食感と味が自慢の佐久古太きゅうり~佐久古太きゅうり保存会(佐久市)~

「佐久古太きゅうり保存会」会長の工藤正博さん(右)と、竹内有一さん(左)

“パリッ”と歯切れのよい食感、驚くほどみずみずしく、ほんのり甘さが広がる味わいが若い鮎のような清々しさとも表現されるきゅうりが、長野県東部に位置する佐久市で代々栽培され、今まさに収穫時期を迎えています。その名も「佐久古太(こだい)きゅうり」。昭和20年代から佐久地域で栽培されており、旧北佐久農業高等学校(現佐久平総合技術高等学校)の教員がシベリアにルーツのあるこのきゅうりの種をどこからか持ってきたことが発祥といわれています。

このきゅうりを保存・継承するとともに普及拡大を図るため、2017年に「佐久古太きゅうり保存会」が発足。現在、約40名の会員が市内各地で栽培しており、今では栽培面積14アール、3トンほどの生産量にまで成長しました。

「“佐久”という冠がつく、地域の宝物を守らねばという気持ちで栽培しています」と話すのは、7年前から「佐久古太きゅうり」を栽培する竹内有一さんです。定年退職後、農業を始めるための講習会に参加した際に、このきゅうりを紹介されたのがきっかけで栽培を開始。手間のかかるわりに少ない収穫量に挫折しそうになったこともありましたが、試行錯誤を繰り返し、わずか10本の苗から始めた栽培も、現在では露地とハウス栽培で合計160本、保存会の中でも有数の栽培量を誇るまでになりました。

通常のきゅうりより3倍はある太さが特徴。「佐久」に「古」くからある「太」いきゅうり=「佐久古太きゅうり」と生産者によって名付けられました。

きゅうり畑で笑顔で語る竹内さん。普通のきゅうりが1節に1つ実をつけるのに対し、「佐久古太きゅうり」は3節以上、なかには8節に1つという株もあるほど収穫量が少ないのだとか。

「佐久古太きゅうり」を守るためには後継者を育てることも課題と会長の工藤正博さん。次の担い手が育てやすいようにと優良株から種を採る取り組みもそのひとつで、保存会では交雑を防ぐため、種採り用の種はほかの畑と2km以上離れた畑で栽培するなど採種にも力を入れています。この方法は、信州の伝統野菜産地交換会で「ていざなす」の採種方法を聞き、ヒントを得たのだとか。竹内さんも若手が苦労しないように優良種の栽培方法も確立させていきたいと意気込みます。

おふたりにおいしい食べ方を尋ねると、「やっぱり、粕(かす)もみじゃねいかい?」とのこと。「昔、夏になると母がこればっかり作ってね。当時はそれに飽き飽きしちゃって悲しませたこともあったけど、それも含め、当時のことがふと思い出される、懐かしいおふくろの味なんだよね」と工藤さん。ほかにも、甘露煮などもおすすめなのだとか。今が旬の「佐久古太きゅうり」の食感を楽しんでみませんか。

佐久古太きゅうりの断面。収穫期間中(7〜9月)は市内の道の駅や野菜直売所で購入可。

定番の「きゅうりの粕もみ」。

佐久古太きゅうり保存会(事務局:佐久市農政課農業生産振興係)

DATA

住   所:長野県佐久市中込3056

T     E    L  : 0267-62-3203

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主な長野県の夏の伝統野菜をご紹介!

小布施丸なす(小布施町)

【収穫時期:7~9月】

明治時代から主に北信地方で栽培されていた品種。肉質はしまって硬いため、煮崩れしにくく、ほのかに甘い特有の風味が特徴。1カ月遅れの奥信濃のお盆には今でも仏様へのお供え、お客様のもてなしに小布施丸なすを使った「おやき」が必需品です。

八町きゅうり(須坂市)

【収穫時期:6月下旬~9月】

果皮は薄く、種子は少なめで短くずんぐりとした形のきゅうり。昭和20年代頃、生食用に早採りしたものは、長野市善光寺周辺の高級料亭で「もろみきゅうり」として提供されていたほか、浅漬けや味噌漬け、佃煮としても利用されています。

ぼたんこしょう(ぼたごしょう)(中野市永江、信濃町ほか)

【収穫時期:7月中旬~10月下旬】

上から見るとボタンの花のような形で、辛味の中に肉厚の果肉の甘さが感じられるピーマン型の唐辛子。丸焼き、コショウ味噌、味噌漬け、天ぷら、煮物にするほか、夏野菜や漬物を細かく刻んで混ぜ合わせた北信地方の郷土料理「やたら」にも使われています。

穂高いんげん(安曇野市穂高)

【収穫時期:7~11月上旬】

大正から昭和初期頃、安曇野市穂高の勝野義権さんがアメリカから導入した野菜種子の中にあったとされるいんげん。和え物、天ぷら、煮物のほか、松本市安曇稲核地区に伝わる漬け菜・稲核菜のかぶを干して保存したものと煮るとかぶの甘みでいんげんがおいしくなるのだとか。

今回は、さまざまな地形や気候の中で育まれた、信州の夏の伝統野菜たちをご紹介しました。このほかにも、長野県にはその土地のみで受け継がれてきた、特徴的な味や形を持つ伝統野菜が沢山存在します。長野県の貴重な宝物、ぜひ、本サイトでもチェックしてみてください!

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