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年中いちごを楽しみませんか?冬だけじゃない!長野県産「夏秋いちご」のご紹介

記事投稿日:2020.09.17

真っ赤な実と甘酸っぱい味わいが老若男女に愛されるいちご。栽培は冬のイメージがありますが、実は暑い夏の時期にも作られているのをご存知ですか?

国産いちごの端境期にあたる夏秋期(6月~11月)は、数年前まで輸入に頼っていましたが、近年国内でも冷涼な地域を中心に、夏から秋にかけて収穫が可能な「夏秋いちご」の栽培が広がっており、ここ、長野県でも増えてきています。

長野県と夏秋いちご

~官・民・学それぞれによる新品種の開発が行われています~

いちごは、冬から春に収穫時期を迎える「一季成り性品種」と年間を通じて栽培可能な「四季成り性品種」に大別され、「四季成り性品種」のうち6月から11月に生産されるいちごの総称が「夏秋いちご」。

長野県では2001年頃から栽培が始まり、2003年に南信農業試験場(当時)が「サマープリンセス」を開発したこともきっかけとなり、徐々に栽培が拡大していきました。2018年に長野県野菜花き試験場が開発した「サマーリリカル」や、信州大学による「信大BS8-9」の開発などが行われています。

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長野県産「夏秋いちご」栽培の推移

平成21年度から22年度において、夏秋いちご生産振興プロジェクトとして、増産体制を整え、生産と販売の両面から取り組みを行いました。その結果、生産量は、この10年で2倍以上に拡大してきています。

(長野県農政部園芸畜産課調べ)

長野県産「夏秋いちご」の地域別栽培状況(平成30年)

主な産地は松本地域、佐久地域、諏訪地域となっています。(長野県農政部園芸畜産課調べ)

長野県産「夏秋いちご」の主な出荷先(平成30年産)

夏秋いちごは6~7月と9~10月の2回収穫のピークを迎え、市場への出荷のほか、ホテルや洋菓子製造業者などが主な販路となっています。(長野県農政部園芸畜産課調べ)

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安曇野で人の「心」に残る夏秋いちご作りを~NAT’s Berry field / ナッツベリーフィールド(安曇野市)~

雄大な北アルプスから流れる清冽な水、豊かな土壌を持つ安曇野市。その恵まれた環境を生かし、わさびの一大産地として有名ですが、実は日本有数の夏秋いちごの産地でもあります。

夏秋いちごを育てたいと4年前にこの地に移住してきたのが吉武和樹さん、奈津子さん夫妻。

「夏秋いちご栽培ができる場所を軸に移住先を探していたときに、安曇野の「サマープリンセス」に出会い、甘みと酸味のバランスがよくおいしいこのいちごを作りたいと移住を決めました」と和樹さん。農業の高齢化が進む中、30代から40代の若い世代が多く就農していることや、夏秋いちご栽培について学べる環境が整っていたことも移住の決め手になったそうです。

「サマープリンセス」を長年育てる農家の下で1年間修業した後「ナッツベリーフィールド」を3年前に立ち上げました。今は15アールのハウスで、長野県で誕生した「サマープリンセス」「サマーリリカル(長・野53号)」「信大BS8-9(ナッツベリー)」(※)の3種に「すずあかね」と「ペチカエバー」を加えた5品種を栽培しています。
※「信大BS8-9」は様々なブランド名で生産されており、「ナッツベリーフィールド」では「ナッツベリー」の名称で生産しています。

圃場から望む北アルプスの山々。市内には夏秋いちご農家が50軒ほどあり、その数は年々増加中とのこと。

「安曇野の夏秋いちごをもっと身近に感じてもらいたい」という思いから、家庭で楽しめる「おうちイチゴ」の販売も開始。

安曇野市で新たに夏秋いちご栽培を始める農家のほとんどが、収穫量が多く安定して生産ができる「すずあかね」から栽培を始める中、吉武さん夫妻は「サマープリンセス」から栽培を始め、1年目はこの1品種しか作らなかったそう。冬いちごと比べると甘みが弱く、薄味とされる夏秋いちごの中で「サマープリンセス」は比較的糖度が高く、酸味のバランスもよい品種として知られています。

「栽培面での難しさはありますが、移住のきっかけとなり、思い入れもある『サマープリンセス』はこの先もずっと作り続けていきたい」と吉武さん夫妻は語ります。

「ナッツベリーフィールド」のいちごは、主に関西方面の市場に出荷されます。加えて、自社で品種ごとのジャムに加工して販売も行っており、それぞれの品種の味わいを楽しむことができます。

「今後は安曇野の夏秋いちごを全国に知られるいちごへと育てていけるよう、エンドユーザーである消費者にも届けるなど、広く発信していきたい。そして、いつか『ナッツベリーフィールド』のいちごで安曇野に少しでも貢献出来たら」と話す奈津子さん。新たな品種の栽培のほか、いつかは農園内に自身のお店を構えたいとの夢を持つ、吉武さん夫妻のこれからの展開に目が離せません。

移住のきっかけとなり、思い入れもある『サマープリンセス』。「この先もずっと作り続けていきたい」と吉武さん夫妻。

種類が豊富な加工品のジャム。「おとなジャム」はお肉料理にもぴったりとのこと。

ナッツベリーフィールド(株式会社ワンダーウォール)さんのページをチェック!

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農福連携によるいちご栽培を目指して~株式会社コトブキファームデポ(小諸市)~

一説では「いちご生産発祥の地」ともいわれる小諸市。明治30年ころ、同市の御牧ケ原で野生のいちごの群生が見つかり、西洋よりいちごジャムが入ってきたことも相まって、ジャム用いちごとして脚光を浴び、栽培が定着しました。

そんな小諸市に2019年6月に設立されたのが株式会社コトブキファームデポ。農業を通じて「もっとおいしく!もっと豊かで前向きな日常を作り出す」ことを目指し、夏秋いちごを栽培しています。2棟10アールのハウスを有し、今年の3月に小諸市では初めてとなる約5,000株の「信大BS8-9」を定植、栽培を開始しました。

「信大BS8-9」は信州大学工学部の大井美知男特任教授が平成初期から研究開発し、2011年に品種登録された夏秋いちご。夏の高温下でも高い糖度を保ち、甘さと酸味のバランスがよく、形もよいことから業務用として需要が高く、パティシエの人気も高い品種です。

コトブキファームデポでは、昨年から「信大BS8-9」栽培のノウハウを学ぶなど、栽培に向けた準備を進めてきました。現在栽培に関わるのは、社長、専務、圃場長である石坂さんの3名。今年から本格的な栽培を開始しましたが、品質管理は徹底して行っており「信大BS8-9」の生みの親である大井教授に365日、その日の生産状況や水素イオン指数(pH)などの数値を報告。数値に少しでも異常があれば、大井教授がすぐに畑に駆けつけてくださるとのこと。「大井教授は『自分の研究にもなるから』と懇切丁寧に指導をしてくれるので本当に助かっています」と石坂さんは話します。

手探り状態の中、6月から始まった「信大BS8-9」の収穫。毎朝4時ごろには圃場へと出勤し、6時ごろまで1日30~40kgのいちごを収穫します。

圃場は小諸市の小高いエリアに位置し、八ヶ岳や天気の良い日は富士山も望めます。

果芯が赤く色付く「信大BS8-9」は、ケーキへのトッピングにも最適です。

コトブキファームデポの主な出荷先は小諸市のほか、近隣の軽井沢町、佐久市の洋菓子店や和菓子店、ホテルなど。「現在は長野県工業技術総合センターと共同研究でのセミドライフルーツの開発や、長野市の事業者と連携したアイスクリームやジェラートの開発なども進めており、加工品の販売も実現していきたい」と石坂さん。

今後は親会社で有料老人施設などを運営する株式会社コトブキと連携し、高齢者等が農業分野で活躍することを通じ、生きがいを持って社会参画を実現していく取り組みである「農福連携」による生産も進めていく予定だそう。「デイサービス利用者の自立支援の一環として、定植、日常管理、収穫、販売までも手がけてもらい、仕事と給料を得ることを通じて生きがいや、やりがいを感じてほしい」そんな思いがあるのです。

コトブキファームデポの「おいしいいちご作りを通じた農福連携の実現」に向けた挑戦は始まったばかりです。

ハウス内にはミツバチが飛び交っており、自然な方法で受粉が行われています。

「小諸にこのいちごあり、と言われるようないちごに育てたい。そのためにも地元の人に、このいちごのよさを知っていただければ」と石坂さん。

株式会社コトブキファームデポさんのページをチェック!

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主な長野県オリジナル品種をご紹介!

サマープリンセス

~味が良く、見た目も美しいのが特徴~

果実の形状が綺麗な円錐形であり、果皮も光沢のある鮮やかな赤色であるため、外観品質に優れています。また、味も生クリームとの相性が抜群に良い品種です。

(長野県南信農業試験場育成・長野県内限定栽培)

サマーリリカル(長・野53号)

~甘みと酸味のバランスが良く、いちごらしい香りが特徴~

甘みと酸味のバランスが良い品種。いちごらしい香りと、果肉が赤くカット面が美しいのが特徴の品種です。

(長野県野菜花き試験場育成・長野県内限定栽培)

信大BS8-9

~高い糖度と、強い香りが特徴~

夏季の高温下でも高い糖度を保ち、食味に大きく影響するという香りも強い。様々なブランド名で生産されており、年々その存在感を増している品種です。

いかがでしたか?官・民・学それぞれによる新品種の開発が行われ、栽培も拡大中の長野県産「夏秋いちご」。ぜひ、チェックしてみてください!

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